簡単に言えば、アメリカの Maker’s Mark と George Dickel などのいくつかのウイスキー以外とアイルランドのウイスキーは WHISKEY と E が入ります。これに対して、スコットランドと日本と他の国々のウイスキーは WHISKY と E が付かないスペルになります。
本来、WHISKY の語源はケルト民族の言葉であるゲール語の usque baugh という『命の水』からきています。因みにこのゲール語はスコットランドとアイルランドではスペルが違います。スコットランドはガリック語といいますが、uisge beatha と書くのに対し、アイルランドのゲール語では uisce beatha と書きます。発音は『イシュケバハ』または『ウシュカベ』が日本語で書くと近い発音かなと思います。だから、『まっさん』でお馴染みの竹鶴正孝氏が日本の最初のウイスキー蒸溜所の山崎で働いていた時には、近所の人たちは
「あの工場ではウスケボっていうばけもんに麦食わせているから、何の商品も出てこない」と噂されたと聞いたことがあります。恐らく、スコッチに少しでも近いものを造りたかった竹鶴氏が本場では『ウシュカベ』とウイスキーを呼んでいるといったのを、『ウスケボ』と聞き間違いした可能性はありますが・・・
では、そのゲール語がどうして WHISKY となったかは、単にイングランド風に英語化したからです。
ちょっと複雑になってきましたが、一説では1870年代にスコットランドでは連続蒸溜器の登場と手抜きから、これまでの上質のウイスキーではなく質の良くないウイスキーが多く出回るようになり、その多くがアメリカに大量に輸出されるようになったそうです。ところが、そこに目にをつけたのがアイルランド人。粗悪なスコットランドのウイスキーと同じスペルで書くよりは、WHISKY に E を足して WHISKEY というスペルでラベルに書けば違う物として見られるということで、これが大成功したそうです。また、アメリカでは多くアイルランド系の移民者がすでにウイスキーを造っていましたから、
「じゃあ、俺たちのウイスキーも母国のアイルランドと同じスペルにしようぜ」ということから、 WHISKEY になったと言われています。
この件に関しては諸説あるようです。
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