パソコンやスマートフォンなどを使用する際に着用すると眼精疲労を和らげ、眼疾患を予防するとうたわれている、ブルーライトカットメガネが普及しつつあります。ブルーライトは目にどのような影響があり、それをメガネのレンズで防止する効果はどれくらいあるのか? 川崎おぐら眼科クリニック院長の西岡大輔医師にお話を伺った。

ブルーライトカットって言いますが、そもそも「ブルーライト」って何ですか?

西岡先生:
ブルーライトが何か? なぜブルーライトをカットする眼鏡があるのか? ということを知らない方も多いと思いますので、まずブルーライトについてお話ししましょう。
ブルーライトとは、人が見ることのできる可視光線のうち、波長の短い光のことを言います。日常生活ではスマートフォンやパソコンのディスプレイ、LED照明などから発せられていますが、長寿命・省エネ・明るさを特徴とするLEDの光は特にブルーライトが多いとされています。

パソコンやスマートフォンだけでなく、生活のいたるところにあるんですね?

西岡先生:
その通りです。この記事を読んでいる皆さんはパソコンやスマートフォンを使わない日はないでしょう。LED照明も省エネでどんどん増えています。

ブルーライトは、目にどんな影響があるんですか?

西岡先生:
眼球の構造を横から見ると、前から角膜、水晶体、硝子体、網膜を形成していますが、ブルーライトは一番後ろの網膜まで達します。網膜はカメラで言えばレンズを通った光が集まって像を結ぶ「フィルム」の部分に相当する重要な器官です。

今はデジタルカメラですからフィルムなんて見たことがないという人もいるかもしれませんが、カメラの構造自体は何となくお分かりですよね。理屈としては、ブルーライトによってこの大事なフィルム(=網膜)に傷がつくと、きれいな写真が撮れないということです。また、一番表面の角膜に傷がつくと、痛みを感じたり目の奥がズキズキしたりします。

西岡先生:
そのことも先ほどのガイドラインに記してあります。ディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下にすること、反射防止型のものを使用すること、キーボードや手元の書類など周辺の明るさとの差をできるだけ小さくすることなど、なるべく目を疲れさせないようにするための工夫が先決です。

目の健康という観点から言えば、ブルーライトよりも注意しなければならないことはたくさんあります。最近少しずつ知られるようになってきましたが、夏の強い紫外線が目に及ぼす影響のほうがよほど深刻です。目が日焼けするということについてもっと広く知っていただきたいと思います。少なくとも紫外線対策としてのサングラスのほうが効果はあるでしょう。
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ここだけの話、編集部でもブルーライトカットのメガネを使っている者がいるだけに、意外な結果でした。もしもカット率が100%ならばまた違った結果なのかもしれませんが、現時点では医学的に根拠はないそうです。それよりもパソコン作業の環境を見直したり、無駄にスマホをいじって過ごす時間を減らすことのほうが大切なのかもしれませんね。夏の紫外線で目が日焼けするというお話も知らなかった方が多いのでは?
お肌だけではなく、目のUV対策も忘れないようにしましょう!

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