消費税が上がったのは動かしようがない現実であり、私たちは「消費税10%時代」を生きていかなければならない。まずは、社会や経済にどのような影響が起きるかを考えてみましょう。

まず考えるのは、これまでの二度の引き上げ(1997年に3%から5%、2014年に5%から8%)と比べて、もっとも景気が落ち込むということです。

引き上げ率自体は2%であり、これまでよりも大きいというわけではありません。

ではなぜ「もっとも景気が落ち込む」と考えるのか。それは、「10%」という数字が大きな意味をもつからです

たとえば、1万9800円の商品を買うとします。さて、8%時代ならば消費税はいくらでしょうか?

即答できる人は、よほど数字に強い人だけでしょう。ところが10%ならば、「0」を1つ減らすだけですから、消費税がいくらか子どもでもわかります。

つまり、消費者が何かを購入する際、つねに10%の消費税率を意識してしまうということです。24万円の冷蔵庫を買おうと考えても、「2万4000円も消費税でとられるのならば、いまの冷蔵庫をもう少し大事に使おうかな……」などと逡巡してしまう。

5%から8%に引き上げられたときは、「どれくらい消費税が上がったのかな」とボーっとしていた人も、今回は具体的な数字に気が付きます。

そうすると、皆必要以上に税金を支払いたくありませんから、買い控える人が増えるのは必定です。その結果、各企業の業績は悪化して、ビジネスパーソンの賃金は上がらない。まさしく「負のスパイラル」です。

そう考えていくと、やはり日本経済の未来は明るいとはいえない。これまでの二度の引き上げの後、景気は落ち込みました。

しかし、このたびの増税による影響は、消費税に対する国民の「意識」を変えてしまうため、より破壊力があります。

10%への引き上げによる景気冷え込みから、日本経済は立ち直ることができるのか。もしかしたら、永遠にデフレから脱却できないのではないか   ヤフーニュースより

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