9月27日にカタールのドーハで開幕した中東初となる陸上の世界選手権が、観客動員に苦しんでいる。世界的に人気種目の男子100メートル決勝があった第2日でさえも、半分ほどしか埋まらなかった。選手や関係者の間では戸惑う声が多く、状況を嘆く選手もいる。

大半の種目が行われる4万人収容のハリファ国際陸上競技場。観客席に目を向けると、各チームの関係者や報道陣が目につく。一方で観客の姿はまばらだ。最上階席全体にシートを覆うなど、空席が目立たないよう工夫は凝らしているものの、集客は明らかに少ない。大会公式サイトによれば、初日の来場数は1万1804人。途中で帰宅する人も多く、時間が遅くなるほど空席が目立つ。

 第3日の女子棒高跳びで4メートル85を跳び、銅メダルに輝いたエカテリニ・ステファニディ(ギリシャ)は、空席状況について質問が飛ぶと、ため息をついた。

 「前日に走り幅跳びの決勝を見に行ったけど、半分しか埋まっていなかった。私たちの日もそう。とても悲しい。今季自分が出場した大会で最少。ギリシャ選手権の方が多かった」。ステファニディは2017年にあった前回大会(ロンドン)で、金メダルを獲得。当時の来場者は70万人以上で、世界選手権での最多観客動員を更新した。今回も同等の期待があっただけに、落胆の色は隠せない。
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朝日新聞社より

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