スコットランドで製造されるウイスキーは「スコッチ・ウイスキー」として知られ、世界五大ウイスキーの一つに数えられます。そのなかでも、ピート(泥炭)によるスモーキーな香りを特徴とするのが、アイラ島で作られる「アイラモルト」です。淡路島よりやや大きなアイラ島には、8つの蒸溜所があり、ウイスキー愛好者からは“聖地”と呼ばれています。どの蒸溜所も見学ツアーやテイスティングを実施していて、蒸溜所めぐりを楽しむ観光客が世界中からやってくるそうです。


★ ボウモア蒸溜所
スモーキーな中にハチミツを思わせる、独特の香りのボウモアは「アイラモルトの女王」とも呼ばれるウイスキーです。アイラ島の中心部のボウモア村に蒸溜所ができたのは1779年のこと。アイラ島では最古、スコットランドでも二番目に古い蒸溜所です。この蒸溜所では、見学ツアーを楽しめるだけではなく、敷地内のホテルに宿泊することもできます。


★ アードベッグ蒸溜所
アードベッグといえば、強烈なスモーキーさと繊細な甘みのある味わいが特徴です。このウイスキーを生み出しているのは、アイラ島南部の海沿いに1815年に設立された蒸溜所です。1980年代に一度閉鎖されましたが、1997年にスコッチ・ウイスキーメーカーのグレンモーレンジ社が買収し、操業を再開しました。ランチも楽しめるカフェがあり、こちらも人気です。


★カリラ蒸溜所
アイラモルトとしてはスモーキーさが控えめで、柑橘系のフルーティさも感じさせるウイスキーです。カリラという名は、ケルト系の言語であるゲール語で「アイラ海峡」を意味します。その由来の通り、蒸溜所は島の北東部、アイラ島とジュラ島を分かつ海峡に面して建ち、1846年から操業しています。チョコやチーズとのペアリングを楽しめる見学ツアーなどが好評です。

★ラガヴーリン蒸溜所
1816年に設立した蒸溜所ですが、設立以前の18世紀中頃には違法蒸溜所として操業していたともいわれています。その後、戦争による閉鎖や爆発事故などの危機を乗り越えて現在に至ります。ラガヴーリンはアイラモルトならではのスモーキーさと、海藻のような香味を持つウイスキーです。蒸溜所めぐりをする人のため、見学時間を短縮してテイスティングを付けたツアーも開催しています。

★ラフロイグ蒸溜所
薬品を思わせるヨードのような香り、濃厚でやや塩っぽい味わいと、ラフロイグは強烈な個性のあるウイスキーです。そのため「大好きになるか、大嫌いになるかのどちらか」、「アイラモルトの王」などと言われます。蒸溜所は島の南東部にあり、創業は1815年。1994年にはシングルモルトウイスキーで初めて王室御用達となりました。

★ブルックラディ蒸溜所
1881年に創業した蒸溜所ですが、1994年に一度閉鎖しました。しかし閉鎖を惜しむ人々が集まり、2001年に操業を再開。昔ながらの製法で作られるブルックラディは、アイラモルトとしては珍しくピートを効かせすぎず、洗練された味わいです。ブルックラディのほかポート・シャーロット、オクトモアというウイスキーも作っています。

★ ブナハーブン蒸溜所
ブナハーブンは、アイラモルトでは珍しく、ピートをほとんど炊かずに作られるため、クセがなく「最も飲みやすいアイラ」と言われるウイスキーです。蒸溜所は島の北部の人里離れた入江に、1881年に設立されました。細い道を進まないとたどり着かない辺鄙な場所ですが、静かな入江に臨む蒸溜所の様子はなんともいえない趣があります。

★ キルホーマン蒸溜所
創業は2005年。100年、200年の歴史をもつ蒸溜所ばかりのアイラ島で、124年ぶりに誕生した蒸溜所です。ウイスキーが初出荷されたのは2009年で、年間生産量もほかの蒸溜所に比べるとわずかなものですが、アイラモルトならではのピートのインパクトが強く、将来が楽しみなウイスキーです。アイラ島の蒸溜所で最も西側に位置し、併設する農場では使用するモルトの一部を栽培しています。

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